新しいステージへ （たぶん最終回）

息子の保育園入園が近づいたある日。


あれ？

あれぇ？？

あれれぇ？？？


奥さん。

奥さんっ。

ちょっと奥さんっ。


もしかして、ちょっと・・・


変？


（って、うちの奥さん、もともと変だけどォ）



それにしても、ついこの前までは

「べったりだった子供が保育園に行くと
少し離れる時間ができるゥ。
そしたら、だいぶ楽になるわァ」

と喜んでいた奥さん。



でも・・・


なんか不安定？


まァ、今まで朝から晩までずーっと一緒にいたわけですから
いくらやんちゃな息子と言えど、いざ離れるとなると・・・


そりゃー、さみしくもなるかァ。



まァ、僕にしても
奥さんほどではないですが


今までみたいに仕事の合間やお昼のあいだに
いっしょにぶらぶらする時間が少なくなるんだなあ・・・


なんて思うと・・・


ちょっぴり物足りない気分になったりして・・・



まァ、そのおかげで


「今」のうちにしっかり関わっておかなくては・・・


という気持ちが強くなりましたが



そして、迎えた入園日。


暖かな春の日差しの中
僕たち３人は、新しいステージへと歩き始めました・・・



（お昼の連ドラの最終回みたいでベタですが・・・）



おしまいっ

変化の時がやってきた

あの予期せぬ自宅出産から２年。


息子の生活にも変化の時がやってきました。


奥さんの希望もあって
春から、保育園に通うことになりました。


わが家は自宅に仕事場があった
（いや、仕事場が住みかになっていた？）ので
朝から晩まで、僕と奥さんと息子は
ほとんどずーっと一緒にいました。


この状況は僕たち３人にとっては
とても意味あることでした。


しかし、だからと言って
この状況が良いことだらけかと言えば
もちろん、そうでないこともありました。


特に奥さんの立場からすれば、いくらかわいい息子と言えど
２４時間ずっとそばにいるとなると、しんどくなることもあったようです。


ですから、良い意味で息子が少しでも離れてくれれば
奥さんも「ずいぶん楽になる」ということでした。


でも、保育園入園が近づくにつれて
その奥さんが何やらソワソワ。


「この子が保育園になじめなくて、
泣いてる夢をよく見るの・・・」


おっと・・・

子どもよりも奥さんが先に不安になってるやんっ


僕のほうも
昼間、息子が家にいない状況を想像すると
ちょっぴり物足りない気分になることがありました。



まあ、今となっては
怪物くんが保育園にいっている時間は
ある意味天国極楽になりましたが・・・

様子が何かへんなのォ・part2

奥さんとお馬さんごっこをしている時、落馬？した息子。


落ちた直後から、青い顔をして
うつろな表情したまま。


名前を呼んでも


無反応・・・


たしかに変だゾ


「病院連れてってぇ～」


と、奥さんが叫びました。


そして、すぐさま、病院へ


ドクターに診てもらったところ

「何の心配もいらないですよ」

とアッサリ。


なんでも・・・

吸うだったか吐くだったか忘れましたが、
呼吸と落ちたときの衝撃があるタイミングで重なると
こういうことがあるらしい・・・です。


そーやって、ドクターの説明を聞いている間にも
息子も少しずつ顔色が良くなり、
僕の声に反応するようになりました。


そして、息子が「ニヤッ」と笑うと
奥さんは滝のような涙を流しながら
オイオイ泣いていました・・・



コレがホントの鬼の目にも涙ってやつですか



それにしても
一時はどうなるかと心配しましたが
良かった、良かった。
ほんと、良かった。


あァ、ホッとしたァ

様子が何かへんなのォ

あれは、たしか・・・息子が１歳のときのこと。


２階の寝室の布団の上で
奥さんがお馬さんになって息子を背中に乗せて遊んでいました。


で、僕が１階で用事をしていると・・・


ドン


と、二階からにぶい音。


ん？
足音とはちょっと違うなァ。


と、思ったその時。


「おとーさんっ、ちょっと来てぇ

〇〇〇が、お馬さんの背中から、落ちて・・・

それから・・・

様子がなんかへんなのォ」


え？
落ちた？
様子が変？


と、急いで２階の寝室に行ってみると、
そこには、青い顔をして・・・
ボーッと言うか・・・
何やらうつろな表情をした息子がいました。


「全然返事しないのお」

と、半ベソの奥さん。


何？

・・・

おーい。〇〇〇。


どォーしたァ


と、からだに触りながら、声をかけてみました。


しかし・・・


・・・


息子は、ノーリアクション

顔は真っ青


・・・


た、たしかに変だ・・・


おーい。〇〇〇


・・・・


息子は、やはりノーリアクション



つづく

すっごい気まずいんだけど

おかげさまで
息子は夜泣きというものをほとんどしなかったので
夜はゆっくりすることができました。


ただ・・・
一度・・・


〇△◇※〇△◇※〇△◇※～


と、こんな感じで
夜中に、とてつもなく大きな声で叫ぶように大泣きして
何をしても泣き止まないことがありました。


で、僕が抱っこ紐で抱えて
近所をぐるぐる歩き回りました。


それでもいっこうにおさまる気配はありません


時計の針は、たぶん夜中の２時ぐらいを指していたような・・・

それはそれは大きな声で、叫ぶように泣いていました。


静かな住宅街を歩き回っていた僕は、か～な～りヒヤヒヤもの


「いったいどーしたんやっ
なにがそんなにかなしいの～」


と、大泣きする息子に話しかけていました。


その時、少し先のお家の２階の窓に人影があることに気づきました。


ジーッ・・・


な、なんか、気まずいんだけど


ジーッ・・・


すっごい気まずいんだけど


あっ、い、いや・・・
わたくしは、怪しい者ではありませんよ・・・


こ、子供がですね、ちょっと夜泣きをして・・・・
こうやって歩きながら寝かしつけようなんて・・・


こ、この子供は・・・
わが子ですよ、わが子・・・


誘拐犯ではありませんっ


なんて、心の中で必死で弁解しながら
そそくさと、その場から離れました。


余計、怪しい・・・


ずっと背中に突き刺さる視線。


いやあ、汗かいたー

せっかくだから？記念に一枚・part2

息子の写真を見ていて気づいたんですが
あるパターンの写真が、やたら多いんです。


この「あるパターンの写真」とは
いったいどんなパターンかと言いますと


掃除機やらモップやら、掃除道具を握りしめ、
それはそれは、楽しそうに掃除をしている写真・・・です


そー言えば・・・


掃除道具にやたら興味をしめしていたなァ


奥さんが掃除を始めると
後ろを追っかけ、一緒になって掃除をしていたっけ。


机に下にクイックルワイパーを突っ込んで
ホコリを取っていたときには


へえー、お母さんのこと・・・よーく見てるんやなー


と感心しましたが、


１歳って、こんなことできるんやー


と驚きもしました。


で、２歳になったら


自分でコンセントに差し込んで
掃除機のスイッチ入れてました。


で、

ブオオオオオオオ


と、掃除機をかけるんです。



あの時も、びっくりしましたねー。



そういえば・・・


動物園に行ったときは
掃除道具が入っているロッカーを見つけ
中にあるホーキや名前の知らない掃除道具まで
片っ端から引っ張り出してきて


動物園中、掃除をして歩き回っていました。　


（係りのひと、ゴメンナサイ）


あのころは・・・

ホント、掃除好きだったのに・・・


今？


ちらかしっぱなしです・・・

せっかくだから？記念に１枚

この前、息子の写真を見直していたら、
大きな口をあけて、大泣きしている写真がありました。


はて・・・何のときの写真だろう？


と、記憶を遡ってみても・・・


思い出せない


でも、わざわざ泣いているときを選んで写真におさめているということは、
何かがあって大泣きして、本人には申し訳ないが、
「記念に一枚」ということになったのだと思うのだが・・・


やっぱり、思い出せない


まあ、そのうち何かの拍子に思い出すだろうということで
しばらくほおっておいたのですが・・・


思い出しました～


あれは・・・

ある日、僕が仕事を終えて家に帰ってきたときのことです。


僕の気配を感じて、興奮した息子


僕を出迎えようと
二階の部屋から飛び出たところまではよかったのですが
そこはまだまだヨチヨチ歩きのお子ちゃまです。


普段なら後ろ向きに降りる階段を前向きに降りようとダッシュ


そして、足がからまったのか階段を踏み外したのか・・・


ゴンゴロゴンゴンゴン


と、

人間大車輪と言わんばかりに
ぐるぐる回りながら転げ落ちてきました。



ひきつった息子の顔。

なぜかスローモーション。

なぜか、中島みゆきさんの歌が頭の中を駆け巡る。


♪まわる～まわる～よ
時代はまわる～



もちろん心配して、ケガなどしてないかチェックしましたが
無事だとわかると、どこからか笑いがこみ上げてきてしまい、
「せっかくだから？記念に１枚」となったわけです。


息子よ。
痛い思いをしたのに、笑ってしまってゴメンよ

そんなものどこからもってきたんやァ

子どもを連れてスーパーに買い物に行くと
子どもをバギーやカートに乗せて店内をウロウロしていました。


で、買い物の途中、子どもに目を向けると


「あれ？手に何か持ってるゾ・・・
えーっ、そんなものどこからもってきたんやァ」


と、知らない間に
お店の商品をわしづかみにしている・・・


こんなことはしょっちゅうでした。


ときには、気がつくのが遅すぎて
商品をかじって、パッケージに穴をあけたり
なめまくって、唾液でベトベト・・・


なんてこともありました。


あるときなんて
「お造り」のパックに手を伸ばしていたようで


「あ」


と思ったときには
ラップを指でついて穴をあけていました


しかも、マグロだよ、マグロ・・・　


もちろん、これらの商品はすべてお買い上げです。



おかげで、晩御飯のメニューが当初の予定から急に変更になったこと・・・


数え切れません。



バランス的に不釣合いなおかずが一品並んでいること・・・


ほぼ毎日。


まァ、いろんな意味で愉快で、にぎやかな食卓となりましたが・・・

ま、参りました

わが家には、和室が一部屋だけあります。

その和室には、障子がありました。

でも、その障子も今では、はずされていて、廊下の片隅に片付けてあります。


なぜ？って


ははは・・・


僕と奥さんがこの家に住んで、けっこうたちましたが、
か～な～り丁寧に、そして・・・キレイに使ってたんですよ


でもね・・・


子供が生まれると
そういうわけにはいきませんっ



息子の成長に伴って・・・

障子が下の方から・・・


ぜ～ん～ぶ、穴だらけになってしまってねェ


しまいには、障子の骨組み？のところに手を伸ばし
足をかけ、のぼり始めたんですよ。


そう。

ジャングルジムのように・・・


で、障子は？


ボロボロのバキバキです。


だから、はずしてしまいました



そして、それから、しばらくしたある日。


ふすまに穴があきましたー。


・・・


ま、まァ、ちょっと風通しがよくなって良かったやん・・・


って、思っていたら・・・


か、壁がほじくってあるゥ・・・・


・・・


ひェェェェェ～


ま、参りました。

ひとりでハイハイしていると思っていたら・・・

ある夏の日のこと。

ハイハイであちこちを動き回れるようになった息子。

となりの部屋でひとりで何やら楽しそうにしていました。


僕と奥さんはちょうど用事をしていたので
横からちょっかい出されないこの状況がちょっとありがたく
今のうちに一気に片付けようと作業を進めていました。


そして、「よーし、もうすぐ作業が終わるゾー」というとき
ちょこっと横目でとなりの部屋の息子の方を見てみると・・・


相変わらず、楽しそうにひとりでハイハイしている息子。

でも、何かを追っかけまわしている様子。


ん？何してるんや


と、近くまで見に行くと・・・


あっ・・・


そ、それは・・・


カ、カメムシやんかァ・・・


カメムシ追っかけてたんかァ・・・


と、思った瞬間


ガシッ


あっ。
つかんだー


カメムシ、つかみよったァ（僕）


ひぇぇぇぇぇ（奥さん）



その後どうなったかは、ご想像にお任せします・・・